視点を変えた「水栓使い分け」の妙
まずは、キッチンです。シンクは標準的な大きさですが、左右にデッキのあるシンクを選び、キッチン混合栓 ゼドラ トリガー(品番32166000)と、浄水器用単水栓(20119000)を両脇に据えています。
二人並んで、左では野菜洗い、右では食器洗いという使い方が自然にでき、限られたワークスペースを自然に使い分けられるという、心理的効果があります。
【Spotlight!! ゼドラ トリガースプレー】
シャワーつき水栓というと、大きく突き出したヘッド部分が気になるという声もありますが、これは、そのヘッドを大胆かつスタイリッシュに強調しています。
印象の強いデザインですが、まるで「握手」してくれるように、手に収まってきます。キッチンの煩雑な作業中にも濡れた手でぐっと握りやすく、ホースを延ばすときも、ヘッドが大きいと軽い力をかけるだけで引き出せます。
ヘッドのボタンを押しているあいだ、必要なときだけシャワーに切り替えられ、不必要な水音を防いでくれます。
次に、バスの「使い分け」。シャワースペースと、バススペースを分けているのが、この家の工夫です。
手前がリラックスするためのバススペース、ガラスドアの向こうが身体を洗うためのシャワースペースです。
シャワーブースでは、モバリオシャワーヘッド(品番2839300J)を採用。適切な水流で身体をすみずみまで洗い流せ、マッサージ効果もあるシャワーを活用する「動」の空間です。
一方、バススペースは、リラックス専用。デザインが美しいアトリオのバス・シャワー水栓にジェットバス。中庭に面した「静」の空間です。
お手入れのしやすさにもこだわりました。そもそも浴室の汚れは、皮脂などのほか、残った石鹸液など。こちらは基本的に石鹸を使わないので汚れにくく、掃除も楽だといいます。
ジェット水流つきのバスタブに合わせたのは、アトリオのデッキバス・シャワー混合栓(現在販売終了)。マイクのようなデザインのシャワーは、主にバスタブの掃除に使うそうです。
そして、洗面台は家族4人が使い分けできるダブルボウル。水栓は、さっと手が届き操作がしやすいシングルレバーのテンゾー洗面混合栓(品番32004000)を並べて採用しました。
このほか、シアタールームのバーコーナーや、2ヶ所あるトイレ内、中庭には将来飼う予定のペット専用、と水栓を適所に配置しています。これだけたくさん水まわりがありば、維持費用も大変そうですが、その点もきちんと考えてあります。
Y邸は、太陽光発電や、「エコキュート」を採用した、オール電化住宅です。初期の設備設置には費用をきちんと掛け、将来にわたりランニングコストを抑えられるようにしているのです。
水栓金具から給湯設備、ほかにも空調や断熱材まで、暮らしの流れを長い目で見据えて選んだ「賢い設備選び」の成功例です。
Y邸(東京都)
建築計画工房/齊藤友幸
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取材・文 / 本間美紀(ライフスタイルジャーナリスト)
写真 / 工藤朋子







